骨盤臓器脱って知っていますか?

骨盤臓器脱(こつばんぞうきだつ)

漢字が並んでいて分かりにくいですよね

ちょっと言葉を分解してみましょう

骨盤
・骨盤の中にある
臓器
・内臓(子宮や膀胱、直腸など)が

・膣(ちつ)から出てきちゃう
ことなんです

わたしと「骨盤臓器脱」という言葉の出会いはわたし自身が尿もれに悩んでいるときでした
「尿もれ」「産後」などのキーワードで検索していた時に出会いました
「骨盤内の臓器が膣から出てくるのか…なかなか手強そうな症状だなぁ…」と漠然と思った記憶があります

膣の外に出てくる臓器として一番多いのは子宮をイメージされるかたが多いかもしれませんが
実は一番多いのは「膀胱(ぼうこう)」で、二番目が「直腸(ちょくちょう)」、三番目が「子宮」なんだそうです

骨盤臓器脱のリスクファクター(リスク因子)

☑経膣分娩(出産)
☑加齢
☑咳や便秘を繰り返す方
☑重いものを持ち上げることが多い
☑肥満
☑長期的にガードルやコルセットで腹部を圧迫している

どんな症状があるの?

下腹部や膣に何かが下りてきたような違和感や膣に丸いものが触れるというのが初期の症状です
これらの症状は午前中よりは午後に多く見られます
進行すると常にお股の間に物が挟まっているような感じがし、尿や便がすっきり出なくなります
さらに進行すると膣の内側が下着に擦れて出血したり、歩くことも困難になるなど、日常生活が大きく制限されます
腹圧や重力の影響を受けるので徐々に進行します

治療法は?

一度下がってしまった臓器は自然に元に戻ることはありません
お薬は効きません
骨盤底筋体操や膣の中にペッサリーを挿入する方法もありますが進行すると手術となります
子宮を取ってしまう方法や子宮を残したままでメッシュを使って固定する方法などがあります
しかし、手術をしたから完治するかと思いきやそれまでの生活習慣を変えないとまた繰り返してしまう恐れがあるのが、骨盤臓器脱の特徴です

どんな生活習慣を変えればいいの?

・必要以上にいきまない(腹圧をかけない)
・重い荷物を持たない
・トイレに長時間座らない
・ガードルなどで腹部を圧迫しない
・良い姿勢を保つ

おわりに

骨盤臓器脱はそれが原因で死に至る病気ではないことやデリケートな部分の症状であるため受診をためらってしまう方もいらっしゃるようです
しかし、不安を抱えたままで生活を続けることになりますし、日常生活も制限されてしまうためQOL(quality of life)生活の質、命の質は下がってしまいます

「あれ、もしかしてわたし骨盤臓器脱かも…」
「わたしは大丈夫かしら…」
と思ったらためらわずに婦人科を受診してくださいね

最近では専門の外来もあるようです
「骨盤臓器脱 外来」などで検索してみるとお近くの病院やクリニックが調べられると思いますので一人で悩まず医師に相談してください

病院で適切な治療を行ったあとのフォローはわたくしに是非お任せくださいませ
オンラインでの一対一の丁寧な指導で具体的に気を付ける動作や日常生活での注意点、普段の姿勢など詳しくお伝えいたします

ABOUTこの記事をかいた人

理学療法士として約12年、総合病院に勤務。急性期病棟、回復期病棟、療養病棟、介護老人保健施設などさまざまな分野で経験を積む。 三度の妊娠、出産を経て腰痛や尿もれなどの不調を経験し「身体の専門家なのに何も知らない…」ことに愕然とする。 そんな中、フランス発祥の骨盤底筋エクササイズ【ガスケアプローチ】に出会い「わたしが求めていたのはこれだ!!」と衝撃を受け、自分と同じような経験をする女性が一人でも減るようにとの思いを込めて活動中!